18金なのに変色した!?ジュエリーのお手入れ・保管についてアドバイスします。
金やプラチナは変色しない。18金なのに変色した!偽物では?と言うようなお問い合わせを時々頂くことがあります。
結論から申し上げますと、18金でも変色はしますし、見た目が変わったりはします。
そこで、ジュエリーの輝きを長持ちさせるためのお手入れ・保管方法の内、日頃から実践できる簡単な方法についてご案内します。
貴金属の変色・見た目の変化の原因
変色の原因は金属の酸化や硫化が主な原因と分析されており、K18・K10などはジュエリーとしての使用に適するよう、銅や銀などの「割りがね」を混ぜて調整されており、この割がねが比較的酸化・硫化をしやすいため、たとえ純度が高い金であったとしても変色は起こってしまします。
その他、キズが付くことで輝き方が変わったり、擦りガラスの様に曇って見えたり、メッキが摩耗して下地の色が出て来たり、キズが異物をトラップすることなどで外観が変わってしまいます。
より長く輝きを保つためにできること
特に湿気の多い日本ではなかなか避けづらい変色ですが、では、どうしたら金属の変化をより抑えることができるのでしょうか?以下で日頃実践しやすい方法をご案内いたします。
1. 身に着ける時は最後に着ける
お化粧やヘアスタイリングを終えてから付けることで、化粧品と金属の接触機会が減ることが期待できます。また、日焼け止めなどの塗りムラの防止にもなりますね。
2. 帰宅後は最初に外す
手を洗ったりお化粧を落としたりすると思いますが、最初に外すことで1.と同じく薬品と金属の接触機会を減らすことができます。
※ただし!洗面台で外すと、ジュエリーを落として石が割れたり、落ちたら取り戻せないところへ流れていったりと悲劇が起こりやすいため、テーブルの上など事故の起こりにくい場所で外すことを猛烈におすすめします。
また、1. や2. は衣類にジュエリーが引っかかることも減らしてくれます。
3. 水気や汚れを落とし、小分けにして保管する
水気にはいろいろな成分が溶け込みやすいこと、砂埃など硬度の高い汚れが付いたまま保管すると、汚れでキズがくことがあるので、汚れていない柔らかい布などで軽く拭き取ってください。※強く拭くとジュエリーが変形したり、砂埃ごとキズが広がったりするかもしれない上、そもそも疲れるので”優しく”お願いします。
保管時はケースや袋に小分けすることで、良い状態をより長く保つことができます。宝石には硬い物が多く、ジュエリー同士が触れることでキズが付くことは勿論、案外空気中のチリやホコリも硬く、貴金属にもキズを付けてしまうことがあるためです。
4. しまいっぱなしにしない
意外かもしれないし、そうでないかもしれませんが、何もせずそのままずっと保管していたのにバッグにカビが生えた!みたいなことと同様、ジュエリーもしまいっぱなしにしていると変色したりキズが付いたりします。湿気や温度は常に変化していて、保管しているケースや袋なども劣化すること、チリ・ホコリが一か所に溜まり、これでキズが付いたりなど、加えて見ていない分劣化に気づきにくく、お手入れする機会が減ってしまいますしね。
ほとんどの貴金属・宝石製のジュエリーは毎日使っていても大丈夫ですが、そこまででなくても月1は取り出して少しでも使ってみてください。
プロの保管方法は?
業者はどうやって保管しているのか?につきまして、もちろん金額や希少性・流通の事情その他いろいろな理由によって色々あるのはあるのですが、本編では一般的なジュエリーで、かつどなたでも簡単にできる方法をご案内します。
- 保管前はセーム皮などのクロス(柔らかい布)で拭く。
- チャック付きポリ袋に入れて、失くさないところで保管する。
です。
汚れが目立つときは消毒用アルコールや中性洗剤で洗浄した後に拭き、十分乾いた後に袋に入れております。※宝石が付いているジュエリーを洗浄する際は、アルコールや洗剤を使用して問題ないか取説や販売店様にてご確認ください。宝石によっては状態が変わってしまう物があります。
また、袋に入れる前に、袋の中に汚れが無いか確認してください。細かなゴミでもジュエリーと擦れるとキズや曇りの原因になることがあります。
以下の画像はK10ピンクゴールドのピアス針(長い物で半年以上保管)とシルバー925のメッキなしチェーン(9カ月保管)です。
もちろん着用されていない分変化も少ないのですが、それにしても銅の成分が多い10金ピンクゴールドや変色しやすいことで有名なスターリングシルバーでこれですから、結構効果的だと思いませんか?
お手入れクロスの代表はセーム皮やメガネ拭き(研磨剤の入っていない布が安全です)。
チャック付きポリ袋は100均はじめ色々なところで販売されていますね。
●袋に入れる時は、
–リングはそのまま。
–チェーンが付いているものは、モチーフとチェーンが絡んだり、擦れて傷つくことを防ぐために、袋を2重にしてジュエリーを動きにくくしています。例えばペンダントは、袋を2つ使い、1つの袋にはトップ部分だけを入れ、袋を筒状にしてチェーンを巻き付け、もう一つの袋に入れたりしています。
–ピアスなども袋を2つ使うとベターですね。
●失くさないところについては、少し大きめのBOXや袋を利用すると良いかと思います。ジュエリーは小さなものが多いですし、小さいと無くしがちですし。当方では(またしても)100均やホームセンターで販売されている半透明プラ製の仕切り付きケースに「ピアス」「リング」などのタイトルを貼って入れ、棚に並べております。
下の画像ほど大きくなくても、どこかの隙間に入り込んだりしないサイズでしたら大丈夫だと思います。
まとめ
ジュエリーの輝きを長く保ちたい!という基本的欲求を日頃できる簡単なケアで実現いただくためのプチアドバイスでした。
- 身支度の最後に着ける。
- 帰宅したら最初に外す。
- 軽く清潔にする。
- チャック付きポリ袋に入れて、失くさない場所で保管。
- ときどき取り出して愛でる。
以上、参考になりましたら幸いです。
おまけ:真鍮など貴金属ではない合金の場合は?
真鍮やアンチモニーの場合はどうでしょう?
金属やメッキの種類、製法などによって性質がまちまちで、当方では製造メーカーさんにアドバイスをもらっています。
「変色はどうしてもするけれども、チャック付きポリ袋+乾燥剤で良いんじゃない?」と言われる頻度が多い気がします。
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