5月の誕生宝石のひとつは翡翠です。歴史の長い宝石で世界中で愛されているジェダイトの他、インドヒスイとも呼ばれるアベンチュリンや、オーストラリアヒスイとも呼ばれるクリソプレーズについて、その歴史や石言葉・意味などをご紹介します。
翡翠
5月の誕生石のひとつである「翡翠」(ジェイダイト・和名:翡翠輝石)は、古くから世界中で愛されてきた宝石です。
翡翠の奥深い歴史や持つ意味、そしてその魅力についてご紹介します。
翡翠の石言葉
翡翠の石言葉には安定、平穏、慈悲、健康、長寿などがあります。
インペリアルジェイド
一般的に翡翠といえば緑色を思い浮かべるかもしれませんが、実は白、紫、黄色、黒などさまざまな色があります。
中でも「インペリアルジェイド」と呼ばれる鮮やかな緑色の翡翠は、最高級品として特に高値で取引されます。
グリーンの他、ラベンダーや白・黒・褐色などなどの色がある
緑色で上質なジェダイトはロウカン(琅玕)とも呼ばれています。
翡翠にまつわる歴史と文化
翡翠は、東洋を中心に特に高い価値を持つ宝石として知られています。
中国
中国では「玉(ぎょく)」と呼ばれ、古代から皇帝や貴族が愛用していました。
翡翠は権力や富、そして不老長寿の象徴とされ、装飾品や護符として用いられてきました。
日本
日本でも翡翠は古くから珍重されており、新潟県糸魚川市は良質な翡翠の産地として有名です。
2016年には、日本の国石としても認定され、国内におけるその重要性が再確認されました。
歴史的には、縄文時代から勾玉(まがたま)として使用され、古代の装身具や祭祀の道具として重要な役割を果たし、現在でも神聖なシンボルとして親しまれています。
また、奈良時代や平安時代には、貴族の装飾品や仏具としても使われ、その美しさと霊的な力が尊ばれてきました。
現代においても、翡翠はお守りやアクセサリーとして人気があり、特に緑色の翡翠は健康や繁栄を願う石として重宝されています。
新潟県糸魚川市では、「糸魚川翡翠まつり」が開催され、翡翠の魅力を広めるイベントが行われています。
翡翠の持つ意味と効果
翡翠は「成功と繁栄」「調和と安定」を象徴する石とされています。
持ち主に冷静さや忍耐力をもたらし、心のバランスを保つ助けとなると言われています。
また、健康運を高める力があるともされ、古代中国では医療にも活用されていました。
特に、精神的な安定をもたらすとされ、不安やストレスを和らげる効果があるとも言われています。
「アベンチュリン」~癒しの天然石 インドヒスイ
アベンチュリンは、その柔らかな緑色と穏やかな輝きで多くの人に親しまれている天然石です。
正式な誕生石ではありませんが、インド翡翠の別名があり、一部では5月の誕生石として紹介されることもあり、特に癒しを求める人々に人気があります。
アベンチュリンの外観の特徴や名前の由来
アベンチュリンは石英の一種で、鉱物の中に雲母やヘマタイトなどが含まれているため、きらきらとした独特の輝き(アベンチュレッセンス)を持っています。
主に緑色のものがよく知られていますが、オレンジ、青、赤などの色も存在します。
名前の由来は、イタリア語で「偶然に」という意味の「avventura」から来ており、偶然発見されたガラスに似た鉱物がこの名前で呼ばれるようになったと言われています。
アベンチュリンの石言葉・効果
アベンチュリンは「癒し」や「リラックス」の石として知られています。
また、アベンチュリンは「繁栄」や「チャンス」を象徴する石ともいわれます。
アベンチュリンの使い方とお手入れ
アベンチュリンはアクセサリーや置き石として使いやすく、日常的に身につけることでその効果を感じやすいと言われています。
ブレスレットやペンダントとして身につけるのが一般的ですが、デスクの上に置いておくだけでも癒しの空間を演出できます。
お手入れは優しく水で洗い、柔らかい布で拭き取る程度で十分です。
中には染色などの処理をされている物もあり、お手入れ等について気になる場合は購入時に確認してみて下さい。
小さなインクルージョンがきらきら光る「アベンチュレッセンス」
「クリソプレーズ」~希望と喜びの石 オーストラリアヒスイ
和名は「緑玉髄」「緑翠」「翠緑玉」ですが、オーストラリアヒスイという別名もあります。
クリソプレーズの外観の特徴や名前の由来
クリソプレーズは明るく爽やかなアップルグリーンの色合いが特徴の天然石で、カルセドニー(玉髄)の一種です。
ニッケルを含むことで特有の緑色を発しています。
ギリシャ語で「金色のニラ」を意味する言葉に由来し、その名のとおり、自然な光沢と瑞々しさを感じさせる色合いが魅力です。
黄緑色(leek-green)の水晶の原石(絵:右)があったら、確かにニラやネギを思わせるような気がします。
「プレーズ」自体はちょっと曖昧な使われ方をしています。このあたりが同じくちょと曖昧な使われ方をしている「ジェード」に似ているような気がします。
「クリソプレーズ」は大きな単一の結晶ではなくて、メノウ(カルセドニー)の一種。とても小さな結晶の集合体です。
クリソプレーズの色の表現は今ではleek green (ニラ緑)よりもapple green (アップルグリーン)の方がよくつかわれています。「彩度と明度が高い黄緑色」といった具合でしょうか。
オーストラリア、ブラジル、タンザニアなどで産出されています。
クリソプレーズ石言葉・効果
クリソプレーズは古くから「希望」や「幸福」「繁栄」を象徴する石として親しまれてきました。石言葉には「肉体の清浄」「豊穣」「奇跡」などがあり、
落ち込んだ心を励まし、前向きな気持ちに導いてくれると信じられています。
かつてはアレキサンダー大王が身につけていたとも伝えられ、古代から高貴な石として扱われてきました。
クリソプレーズのチャームをフープピアスに。
クリソプレーズの使い方とお手入れ
クリソプレーズはジュエリーとしても人気があり、指輪やネックレス、ブレスレットなどさまざまな形で楽しむことができます。
鮮やかなグリーンはコーディネートのアクセントにもなり、見た目にも爽やかさを与えてくれます。
お手入れは、柔らかい布でやさしく拭くことが基本です。
中には染色などの処理をされている物もあり、お手入れ等について気になる場合は購入時に確認してみて下さい。
まとめ
翡翠は5月の誕生石としてはもちろん、古くは霊具として用いられるなど、長寿や繁栄を願うお守りとしても人気があります。
ジェダイトの他にも「ひすい」と付く宝石がいくつかあり、その中から希望と喜びの石「クリソプレーズ」(オーストラリアヒスイ)と、癒しの天然石「アベンチュリン」(インドヒスイ)にまつわるお話をご紹介しました。
宝石の歴史や込められた意味を知ることで、より一層その魅力を感じていただけると幸いです。