「大人の女性としては真珠のネックレス・イヤリングは持っておくことがマナー」など聞くことがあります。冠婚葬祭などのあらたまった席では、パールネックレスを着用することが常識のようになっており、確かに、大人の女性なのだから本真珠のネックレスは1つくらいは持っておかないと。。という部分はあります。
ところで、華やかな席の真珠は大きくてOK。結婚式では花嫁より目立たないように、あまりに主張の大きなものは控える。葬儀などでは控えめのもので、2連はNG。などなど、、結構マナーも多いですよね。常識と言われていることに対応するには、どうも1本では足りないように思えます。
全てのシーンに対応するためにすべてを本真珠で揃えたら・・加えてオフィスやオフタイム用の普段使いも揃えたら・・何かを我慢しなければならない気がしてしまいますね。
あこや真珠や南洋真珠は高価なものが多く、現実的にも一通りプラス普段用のラインナップを揃えることは結構清水の舞台。
そこで、比較的お手頃なイミテーションパール(フェイクパール)も候補には入れたくなるものです。
が、他方で、「大人になってフェイクパールは恥ずかしい」という話も聞こえたり。。
本稿では、まず「ジュエリーの何をみてイミテーションパールと気づかれるのか?」について、プロならこの辺を見てヒントにしていますよ、という情報をご案内します。そして、それは案外分かりにくいもので、使い分けることでイミテーションパールが楽しみを増やしてくれることについてご提案させていただきます。
イミテーションパールと本真珠の見た目の違い
こちらのページにイミテーションパールと本真珠の見分け方について載せてあります。
他人の物を拡大して観察することなんてないでしょうし、コットンパールなど明らかな特徴がある物を除くと、「普通に会話をするくらいの距離では見分けられない」というのが正直なところかと思います。
見た目以外にあるとすれば、
- プラスチックパールなど軽いものは、着けているときにネックレスがふわふわと軽そうな動きをしている。
- パール塗料が剥げている
くらいでしょうか?結構難しいです。
イミテーションと本真珠のネックレスの「作り」は、だいたいこの辺りが違うことが多い。
では、ネックレスになっている状態だとどうでしょう?
パッと見た感じでは見分けられないことが多いですが、実はイミテーションパールと本真珠系ではネックレスなどの製品にするときの作り方や、合わせるパーツが異なる傾向があり、これがヒントになることが多いんです。
以下では、そういったヒントになる部分をご紹介します。
本真珠1(あこや・南洋・淡水など)の場合
金具の作りが丁寧
本真珠のネックレスに合わせられる留め具(クラスプ)は、シルバーや金など、貴金属であることが多いです。
貴金属のため、比較的パーツの細部が丁寧に作られていたり、丸環などの機能的な部分を担うパーツが繊細に作られていることが多いです。
丸環が小さくまとまっていたり、部材が繊細であったり、丸環類は丸線をロー付け(溶接)したパーツで組み立てられているものが主流です。
中糸は主に糸やワイヤーが用いられる。テグスは少ない。
中糸は糸やワイヤーで、作りはこちらページのようになっていることが多いです。
基本的には作りたての時に、ゆるみがあったり、糸やワイヤーの端が見えるような作りになっていることはほとんどありません。
イミテーションパールの場合
金具の作りがちょっと簡素
一方で、イミテーションパールのネックレスには、真鍮などの合金であったり、貴金属ではない素材の物が合わせられている場合が多いです。
カン類など機能面を担うパーツがやや無骨であったり、切削の痕跡が残っていたり、板を抜く工法で作られたパーツを多用している傾向があります。
作り方も中糸も、バリエーション豊富。
中糸には糸もワイヤーもテグスも、様々なものが用いら、作り方も色々なパターンがあります。やや緩かったり、結びの処理が露呈していたりするものも、本真珠に比べると見かける割合が多いように感じます。
また、ボールチップでクラスプをつないでいる物も比較的多く見られます。ボールチップは本真珠ネックレスに対してはあまり用いられていません。
ネックレスの違いのヒントのまとめ
本真珠の場合には中糸が糸やワイヤーであることが多く、一定のパターンを逸脱しない作り方で組み立てられている場合がほとんどです。
クラスプは貴金属製が多く、パーツ類も比較的繊細に作られている物が合わせられることがほとんどです。
他方、イミテーションパールの場合では、中糸は糸やワイヤーやテグスを用い、クラスプは貴金属製の物を合わせることは少なく、組み立て方は、ボールチップでクラスプにつないでいたり、クラスプに直接結びつけていたりなど、様々なパターン作り方をされているものが頻繁に見られます。
上は真鍮クラスプ。
下はシルバークラスプ
真鍮製:プレスパーツを多用している。カン類がやや大振りに作られる傾向がある。
シルバー製は丸線類が華奢なものが多い。金などはさらに華奢な傾向がある。
真鍮クラスプに真鍮のボールチップの組み合わせは、本真珠ネックレスにで見かけることは少ない。
もちろん、反対の場合もあって、例えば本真珠に真鍮クラスプをあわせ、テグス&ボールチップを用いたり、イミテーションパールにシルバーのクラスプを合わせ、オールノットにしている物もありますが、見る機会は比較的少ないように思います。
(余談ですが、これは、本真珠系のネックレスは素材が比較的高価なため、合わせるパーツや作りの手間をかけられるのに対し、イミテーションパールは素材が比較的廉価で、合わせるパーツや作りも簡素に仕上げた方が、商品の目的に沿っていると考えられていることが理由ではないかと思っております。)
見分けは難しいのに・・「恥ずかしい」はどこから来る?
ここまで、傾向として作りや合わせられるパーツが、イミテーションパールと本真珠のネックレスで違う場合が多いいので、それがヒントになるということを書いてきましたが、どうでしょう?正直、見た目だけだと、失礼なくらいじっくり観察しないと分からないはずです。
「本物でないと恥ずかしい」と言われていたり、「恥ずかしいかも・・」と思う理由は、実は気分的なことがほとんどではないかと思います。
もちろん、イミテーションパールは、廉価に広くお届けすることを目的として製品に組み上げられることも多いため、どうしても作り自体がやや簡素になりがちではあって、出来上がりに少し安っぽさを感じることがあるかもしれません。
例えば、本真珠ネックレスに比べて組み方が緩かったり、パーツ類もやや粗い物が合わせられていたりなどすると、パールが本真珠か模造かに関わらず、違いを感じてしまうでしょう。
他には、イミテーションパール製品は、手入れや修理をするよりも、新しく買った方が割安になったりすることも多く、「長く大切に使う」という前提の製品は少ないことなども、そういった気分の一つになっているのかもしれません。
気持ち的な部分はどうしてもあることは仕方がないかもしれませんが、、「作り」が本真珠並みであったり、メンテナンスや修理が出来たらどうでしょう?
実は大きなブランドにもイミテーションパールを用いたアクセサリーはあったりしますし、イミテーションパールも「偽物」として扱わず、きちんと仕立てれば、結構魅力が出てくるんです。
以下では、イミテーションパールの魅力的な楽しみ方をご紹介します。
イミテーションパールの魅力的な楽しみ方
「イミテーションパールは大人の女性として恥ずかしいかも……」という不安は、実は「本真珠の代用品(偽物)」として使おうとするためにそう感じているのかもしれませんね。
ところが、イミテーションパール(フェイクパール)だからこそ輝く、自由で魅力的な楽しみ方がたくさんあります。本真珠では予算やお手入れの面で躊躇してしまうようなスタイルも、イミテーションなら賢く、おしゃれに叶えられます。
1. 本真珠では高価すぎる「贅沢なデザイン」に挑戦する
本真珠の大粒やロングネックレスは、珠が大きいほど、長さが長いほど価格が跳ね上がります。また、ロングや明らかなグラデーションサイズなどは、通常のネックレスよりたくさんの材料を集める必要があるため、それも価格を跳ね上げる要因になっています。イミテーションパールはその傾向がとても少なく、お求めやすいお値段になります。
超ロングネックレス
120cmや200cmといったロングネックレスは、本真珠で揃えようとするとちょっと躊躇する価格になってしまいまい、たくさん揃えるとなるとハードルが高めです。しかし、イミテーションパールであれば、手頃な価格で手に入ります。ぐるぐる巻いて2連など複数連にアレンジしたり、お洋服に合わせて結び目を作ったりと、圧倒的な存在感をカジュアルに楽しめます。
ゴージャスなグラデーションデザイン
結婚式やパーティーなどの華やかなフォーマルシーンで映える、大粒のグラデーションネックレス。時々しか使わないフォーマル用のボリューミーでゴージャスなデザインこそ、イミテーションパールが活躍してくれます。
2.サイズやカラーのバリエーションを揃えてコーデの幅を広げる
「パールのジュエリーは1本あればいい」と思われがちですが、実はパールの大きさや色味によって装いとの相性はガラリと変わります。
サイズバリエーション
愛らしく上品な3~4mm、やや控えめな5~6mm珠、中ほどボリュームの7~8mm珠、ボリューム感が出てくる8mmUP珠、印象的なアクセントになる10mm以上の大珠など、複数揃えておくと便利です。
カラーバリエーション
パリッとしたホワイトだけでなく、肌なじみよく普段使いしやすいクリーム系、シックで落ち着いたグレー、引き締まったブラックなど、パールの色によっても選ばれるシーンは様々です。
これらをすべて本真珠で揃えるのはなかなかハードルが高いと思いますが、イミテーションパールなら、その日の気分やファッションに合わせて比較的気軽にコレクションすることができます。
まとめ:本真珠とイミテーションパールの「賢い使い分け」が大人のおしゃれ
ここまで、本真珠とイミテーションパールの作りの違いや、それぞれの魅力についてご紹介してきました。
結論として、「イミテーションパールだから恥ずかしい」ということは決してありません。
確かに、プロの目で見たり、金具の作りをじっくり観察したりすれば違いは分かります。しかし、普通の距離感で綺麗に着こなしている分には、周囲にネガティブな印象を与えることはまずありません。
大人のスマートな選択としておすすめしたいのは、例えば冠婚葬祭はじめ格調が求められる場面でも用いる、手入れをしながら長く使うようなものはアコヤ真珠や南洋真珠などを。結婚式の二次会、普段のお出かけ、オフィスなど、極たまにしか使わない華美なデザインや、トレンドを追ったり、気軽に選べるものなどはイミテーションパールを。という「使い分け」です。
「本物でなければならない」というプレッシャーから少し解放されて、デザインの自由さや扱いやすさというイミテーションパールの強みを活かしてみてはいかがでしょうか?
しっかりとした作りのものを選べば安っぽさはあまり感じないでしょうし、むしろ日常をより華やかに彩る心強い味方になってくれるはずです。
ちょっと商品紹介
私どもでもイミテーションパールの製品を扱っており、特徴は、本真珠ネックレスとほぼ同じ基準で作っている物も多いことだと思っております。
大きな違いは?というと、例えばGPTやテトロンなどの丈夫な糸を使用している点や、ゆるみの許容範囲が狭いことや、海外製に比べてメンテナンスがしやすいことです。
こちらに、アコヤ・南洋・淡水真珠などの本真珠に使われている物と同じ中糸を使用していたり、作りには同じレベルの検品基準を設けていたり、メンテナンスも出来るフェイクパールの製品を一部ご紹介します。